渋谷教育学園幕張中学校2023年1次算数第2問(解答・解説)
問題文に与えられた条件から、フィボナッチ数列の問題であることはすぐにわかりますね。
1番目の数を□、2番目の数を〇(□は0、〇は1桁の整数)とします。 ←実際には、□は0ですが、あえて具体的な計算をしません。
3番目以降を書き出していきます。
1番目 □
2番目 〇
3番目 □×1+〇×1
4番目 □×1+〇×2
5番目 □×2+〇×3
6番目 □×3+〇×5
7番目 □×5+〇×8
8番目 □×8+〇×13
9番目 □×13+〇×21
10番目 □×21+〇×34
11番目 □×34+〇×55
12番目 □×55+〇×89
13番目 □×89+〇×144
14番目 □×144+〇×233
15番目 □×233+〇×377
16番目 □×377+〇×610=□×370+□×7+〇×610→□×7
17番目 □×610+〇×987=□×610+〇×980+〇×7→〇×7
□×370+〇×610は10で割り切れるから、16番目の数の一の位の数は□×7の一の位の数と一致します。
また、□×610+〇×980は10で割り切れるから、17番目の数の一の位の数は〇×7の一の位の数と一致します。
すると、16番目から30番目までは、上の1番目から15番目までの数を7倍した数の一の位の数を考えればよく、以下15個ごとに同様の繰り返しとなります。
1番目 2番目 ・・・15番目
↓×7 ↓×7 ・・・・・・・
16番目 17番目 ・・・30番目
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これで問題を解く準備が整いました。
(1)
1番目の数(□)は0だから、(△×15+1)番目(△=0、1、2、・・・)の数は常に0ですね。
2番目の数(〇)が1のとき、先ほど書き出したものを見れば、2番目から15番目の数の一の位の数が0とならないことは明らかだから、答えは16となります。
(2)
2023÷15=134・・・13だから、2023番目の数は135セット目の13番目の数となります。
□に0、〇に1を入れたとき、13番目の数は144となり、一の位の数は4となります。
13番目の数の一の位の数が4のときに、それを7倍していったときの一の位の数がどうなるか考えていきます。
4
4×7=8
4×7×7→8×7=56→6
4×7×7×7→6×7=42→2
4×7×7×7×7→2×7=14→4
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
となり、4、8、6、2の4個の数の繰り返しになります。
135÷4
=33・・・3
だから、(1,2023)は、繰り返される数の3番目の数、つまり6となります。
与えられた条件から、(a,2023)=10−6=4となります。
ここで、1を7倍していったときの一の位の数がどうなるか考えていきます。
1
1×7=7
1×7×7→49→9
1×7×7×7→9×7=63→3
1×7×7×7×7→3×7=21→1
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
となり、1、7、9、3の4個の数字の繰り返しになります。
1を2、3、4、・・・、9倍していっても4個ごとに元に戻ることは変わりませんね。 ←7×7×7×7の一の位の数が1だから当たり前のことだから、1を7倍していったときの一の位の数を調べた作業は省略できます。
結局、(a,2023)=4ということは、3セット目の13番目が4ということにほかなりません。
7を2回かけた数の一の位の数が4となるものを見つけることになりますが、これは偶数しかないので、偶数だけ調べます。
0×7×7=0×
2×7×7→8×
4×7×7→6×
6×7×7→4〇
8×7×7→2×
結局、13番目の数(〇×144)の一の位の数が6となるものが答えとなります。
あとは、4をかけて一の位の数が6となる1桁の整数を探すだけですね。
4に1桁の整数をかけて調べつくすと、答えが4と9となることがすぐにわかりますね。
なお、上の解説では、一般に、◎で割った余りが☆と★の数の和と積を◎で割った余りがそれぞれ☆+★と☆×★を◎で割った余りと一致することを利用していますが、このことは面積図を思い浮かべればすぐにわかることです。
上の解説からわかるように、フィボナッチ数列の一の位の数の周期は60となります(1、7、7×7=49→9、7×7×7→9×7=63→3、7×7×7×7→3×7=21→1、・・・となり、(△×15+1)番目は常に0で、(△×15+2)番目(△=0、1、2、・・・)は1、7、9、3の4個の数の繰り返しとなり、周期が15×4=60個であることがわかり、あてもなく数を書き出すことが防げるわけです)。