南山中学校女子部2025年算数第10問(解答・解説)
与えられた三角形の中に現実にはあり得ない長さと角の組合せがありますが、そのことについては無視して解くことにします。
(1)
B、C、Dの三角形は、2辺とその間の角がそれぞれ等しいから、合同です。
このうちBとCの一番長い辺(直角の向かいの辺(斜辺))をぴったり合わせると長方形になります(図1)。
なお、Dの三角形は裏返さないと、B(C)の三角形と組み合わせても長方形を作ることができないことに注意が必要です。
(2)
様々な解法が考えられます。
ここでは、2つの解法を紹介します。
(解法1)
二等辺三角形Aの頂角(等しい長さの2辺の間の角)は180−50×2=80度となりますね。
10+50=60になることに着目して、@とAの長さが★cmの辺をぴったり合わせます(図2)。
図のピンク色の線を引くと、黄色の三角形は、長さが2cmの2辺の間の角が10+50=60度となるから、正三角形となります。
このことから、黄緑色の三角形も二等辺三角形となります。
したがって、角アの大きさは
60+{180−(80−60)}/2
=140度
となります。
(解法2)
二等辺三角形Aの頂角は80度となりますね。
10+50=60になることに着目して、@とAの長さが2cmの辺をぴったり合わせます(図3)。
図のピンク色の線を引くと、図形全体の三角形は、長さが★cmの2辺の間の角が10+50=60度となるから、正三角形となります。
左上の小さな三角形と三角形@は、2辺とその間の角がそれぞれ等しくなるから、合同となります。
したがって、角アの大きさは
(360−80)/2
=140度
となります。
なお、図4のようなことをしてはいけません。
難しくなるだけですからね(実際、算数オリンピックで同じような構図の問題が出されています)。
(3)
様々な解法が考えられます。
ここでは、2つの解法を紹介します。
(解法1)
Fの残り1つの角の大きさは180−(60+24)=96度となり、Eの残り1つの角の大きさは180−(60+36)=84度となります。
96+84=180になることに着目して、FとEの長さが1.5cmの2辺をぴったり合わせて、三角形を作ります(図5)。
60度に着目してオレンジ色の正三角形を作ると、錯角が等しいから、図の同じ記号を付けた直線は平行となります。
図形全体のピラミッド相似(相似比は1.5:2.5=3:5)に着目すると、イにてはまる数は
1.5×5/(5−3)
=15/4
となります。
(解法2)
Fの残り1つの角の大きさは180−(60+24)=96度となり、Eの残り1つの角の大きさは180−(60+36)=84度となります。
96+84=180になることに着目して、FとEの長さが1.5cmの2辺を合わせて、三角形を作ります。 ←ここまでは(解法1)と同じです。
さらに、36+24=60になることに着目して、完成した三角形とこの三角形を180度回転させた三角形を組み合わせて平行四辺形を作ります(図6)。
図のピンク色の線(延長した線)を引くと、ピンク色の三角形と水色の三角形を合わせた三角形は正三角形となります。
水色の三角形と紫色の台形(同位角が等しくなるから、平行な辺がありますね)の部分のピラミッド相似(相似比は1:1.5=2:3)に着目すると、イにてはまる数は
2.5×3/2
=15/4
となります。
なお、2種類の三角形を1個ずつ組み合わせて、それ以外は使ってはいけないと明記されていないので、上のようにしても問題ないでしょう。
また、図6の色を付けた部分だけを作図して解く(この場合、一辺の一部を合わせることになりますが、一辺を合わせるという条件を一応満たしているかなと思います)こともできますが、きれいさを重視して上のようにしました。
(解法3)
等しい角度(60度のところ)を重ね合わせて解きます(図7)。
2辺の一部をそれぞれ合わせることになりますが、一辺を合わせるという条件を一応満たしているかなと思います。
図のピンク色の線を引くと、赤色の三角形は、長さが1.5cmの2辺の間の角が60度だ
から、正三角形となります。
このことと与えられた条件を利用すると、図の×の角度は24度、〇の角度は36度となります。
茶色と緑色を合わせた三角形と緑色と灰色を合わせた三角形は、2組の角がそれぞれ等しいから、相似(相似比は1:1.5=2:3)となります。
したがって、イにてはまる数は
1.5+1.5×3/2
=15/4
となります。