灘中学校2016年算数2日目第1問(解答・解説)


継子立てと呼ばれる有名問題ですね。
一般に、1から順に数字の書かれているカードを時計回りに環状に並べ、1のカードから1枚おきに時計回りに取り除くとき、カードの枚数が2の累乗であれば、最初は2の倍数が残り、次に4の倍数が残り、次に8の倍数が残り、次に16の倍数が残り、次に32の倍数が残り、・・・というように、最後に残るのは最大の数となります。 ←わからなければ、小さな数で実験してみるとよいでしょう。
このことを利用すれば、(5)がすぐに解けます。
(5)
2016−1024=992枚取り除いたとき、カードの枚数は1024枚で右端のカードの数は992×2=1984だから、2015回目の操作後に残るカードの数字は1984となります。 ←2の10乗が1024であることを利用しました。
さて、残りの問題を解くために、操作の様子を分析してみましょう。
2016=16×126=32×63だから、5周目の操作終了までは、〇周目の操作で、2を〇個掛け合わせた数で割り切れる数が取り除かれることがすぐにわかりますね。 ←説明のため、下では1周目スタート時から書いてありますが、実際には、6周目スタート時から書けばよいでしょう。
 1周目スタート時:1,2,3,4,・・・,2015,2016(2016枚)
 取り除かれるカード=2で割ると1余る数のカード(1008枚)、残るカード=2で割り切れる数のカード(1008枚)
 2周目スタート時:2,4,6,8,・・・,2014,2016(1008枚)
 取り除かれるカード=4で割ると2余る数のカード(504枚)、残るカード=4で割り切れる数のカード(504枚)
 3周目スタート時:4,8,12,16,・・・,2012,2016(504枚)
 取り除かれるカード=8で割ると4余る数のカード(252枚)、残るカード=8で割り切れる数のカード(252枚)
 4周目スタート時:8,16,24,32,・・・,2008,2016(252枚)
 取り除かれるカード=16で割ると8余る数のカード(126枚)、残るカード=16で割り切れる数のカード(126枚)
 5周目スタート時:16,32,48,64,・・・,2000,2016(126枚)
 取り除かれるカード=32で割ると16余る数のカード(63枚)、残るカード=32で割り切れる数のカード(63枚)
 6周目スタート時:32,64,96,128,・・・,1984,2016(63枚)
 取り除かれるカード=64で割ると32余る数のカード(32枚)、残るカード=64で割り切れる数のカード(31枚)
 7周目スタート時:128,192,256,・・・,1984,64(31枚)
 取り除かれるカード=128で割り切れる数のカード(15枚)、残るカード=128で割ると64余る数のカード(16枚) ←最後の64は8周目になるので、取り除きません。
 8周目スタート時:64,192,320,・・・,1984(16枚) ←これで最初に述べた継子立ての知識がそのまま適用できる状況になりましたね。
(1)
1周目で1008回の操作が行われるから、1009回目の操作では、2周目スタート時の最初の数(2で割り切れる数の最小のもの)である2が取り除かれます。
(2)
1000(=8×125)は8で割り切れるが16で割り切れない数だから、4周目で取り除かれます。
4周目の8で割り切れる数は、8から始めて2個に1個の割合で取り除かれます。
125番目の8の倍数は、125÷2=62.5より、63回目に取り除かれるから、1000は
  1008+504+252+63
 =1827回目
の操作で取り除かれます。
(3)
(2)と同じ問題で、少しくどいですね。
2016は32で割り切れるが64で割り切れない数だから、6周目で取り除かれます。
しかも、最後に取り除かれ、7周目スタート時のカードが31枚であることから、2016は
  2016−31
 =1985回目
の操作で取り除かれます。
(4)
2000回目の操作が終わり、16枚のカードが残るのは、ちょうど7周目の操作が終わったときになります。
上の説明より、128で割ると64余る数が残っていることになります。



中学受験・算数の森TOPページへ