開成中学校1999年算数第2問(解答・解説)


まず、メインの問題を先に解きます。
(2)
[カ]に入れる分数を〇/360(〇は1以上359以下の整数)とします。
  △/6÷〇/360 (△は1から5までの整数)
 =△×60/〇
が整数となるためには、〇が△×60(60、120、180、240、300)の約数となればいいですね。
60の約数はすべて120の約数に含まれ、120の約数はすべて240の約数に含まれるから、結局、1以上359以下の整数のうち、180、240、300の約数となるものの個数を求めればよいことになります。
  60=2×2×3×5
  180=2×2×3×3×5 ←60×3となることを利用しました(以下同じ)。
  240=2×2×2×2×3×5
  300=2×2×3×5×5
となるから、60、180、240、300の約数の個数はそれぞれ
  3×2×2=12個 ←素因数2の使用個数が0個〜2個の3通りあり、そのそれぞれに対して、素因数3の使用個数が0個か1個の2通りあり、そのそれぞれに対して、素因数5の使用個数が0個か1個の2通りあるからです(以下同じ)。約数の個数の求め方については、神戸女学院中学部1995年算数2日目第4問の解答・解説を参照しましょう。
  3×3×2=18個
  5×2×2=20個
  3×2×3=18個
となります。
したがって、求める個数は
  (180の約数の個数)+(240の約数の個数)+(300の約数の個数)−{(180と240の公約数の個数)+(240と300の公約数の個数)+(300と180の公約数の個数)+(180と240と300の公約数の個数 ←ヴェン図を思い浮かべましょう。〜「ひきすぎたら、たす
  18+20+18−(12+12+12)+12 ←180と240の公約数、240と300の公約数、300と180の公約数、180と240と300の公約数はいずれも60の約数となります。
 =32個
となります。
(1)
(a)
性質Aは
  1/6÷〇/360
 =60/〇
が整数となるということだから、〇は60の約数となります。
したがって、求める個数は12個となります。
(b)
性質Bは
  2/6÷〇/360
 =120/〇
が整数となるが、60/〇が整数とならないということだから、〇は120の約数のうち60の約数でないものとなります。
120=2×2×2×3×5だから、〇は120の約数のうち8の倍数のもの(素因数2を3個含むもの)となり、求める個数は
  1×2×2 ←素因数2の使用個数が3個の1通りあり、素因数3の使用個数が0個か1個の2通りあり、そのそれぞれに対して、素因数5の使用個数が0個か1個の2通りあるからです。
 =4個
となります。
(c)
性質Cは
  4/6÷〇/360
 =240/〇
が整数となるが、120/〇と60/〇がともに整数とならないということだから、〇は240の約数のうち120の約数でも60の約数でもないものとなります。
240=2×2×2×2×3×5だから、〇は240の約数のうち16の倍数のもの(素因数2を4個含むもの)となり、求める個数は
  1×2×2 ←素因数2の使用個数が4個の1通りあり、、素因数3の使用個数が0個か1個の2通りあり、そのそれぞれに対して、素因数5の使用個数が0個か1個の2通りあるからです。
 =4個
となります。



中学受験・算数の森TOPページへ