ラ・サール高等学校2010年数学第2問(2)(解答・解説)


様々な解法が考えられますが、合同な直角三角形を2つ組み合わせると二等辺三角形ができることを利用したものを2つ紹介します。
ラ・サール高等学校2010年数学第2問(2)(解答・解説)の図

(解法1)
上の左側の図のように、三角形ABEを辺BEに関して折り返します。
三角形BFDと三角形CADのちょうちょ相似(相似比はBF:CA=3:2)に着目すると、FD:AD=3:2=6:4となります。
また、AE:EF=1:1=5:5となるから、
  AD:DE
 =4:(5−4)
 =4:1
となります。
三角形BFDと三角形CADのちょうちょ相似(相似比は3:2)に着目するとBD:CD=3:2となります。 ←角の二等分線定理を知っている人はBD:CD=AB:AC=3:2とすることもできます。なお、上の解法が角の二等分線定理の(具体的な場合の)証明の1つになっていることもわかるでしょう。
あとは、いわゆる隣辺比の知識を利用するだけですね。
  三角形ADCの面積:三角形BEDの面積
 =(DA×DC):(DB:DE)
 =(4×2):(3×1)
 =8:3
となります。
(解法2)
上の右側の図のように、三角形ABEを辺AEに関して折り返します。
いわゆるベンツ切りの処理に持ち込みます。
2点DとFを直線で結びます。
三角形DBEと三角形DFEの面積をBとします。 ←この2つの三角形の面積の合計を2倍したものが3の倍数となるようにこのようにおきました。
三角形ABDの面積は
  三角形BFDの面積×AC/CF ←三角形ABDと三角形BFDの共通する辺BDを底辺と考えた場合、高さの比はACとCFの比と一致しますね。
 =B×2×2/1
 =K
となり、三角形ADCの面積は
  三角形ADFの面積×AC/AF ←三角形ADCと三角形ADFは高さが等しいから、面積比は底辺の比と一致しますね。
 =K×2/3
 =G
となります。
したがって、三角形ADCの面積:三角形BEDの面積=G:B=8:3となります。
なお、AD:DE=三角形ABDの面積:三角形DBEの面積=K:B=4:1となります。



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