甲陽学院中学校1995年算数1日目第6問(解答・解説)


甲陽学院中学校1995年算数1日目第6問(解答・解説)の図1
2つの三角錐(すい)を描きこみ、それぞれの辺の交点を描き、同一平面上の交点同士を結べば、上図の赤い三角錐A−IJKが共通部分となることがわかります。
したがって、求める辺の数は6個となります。

さて、体積を求めましょう。

(解法1)「比」で求めます。
甲陽学院中学校1995年算数1日目第6問(解答・解説)の図2
共通部分の三角錐A−IJKの体積は、三角錐A−EBD(E−ABD)の体積の1/4だから、
 ←2つの三角錐は、高さが共通で、三角錐A−IJKの底面積は三角錐A−EBDの底面積の1/4倍
  (1×1×1/2)×1×1/3×1/4=1/24cm3
  三角錐A−EBD(E−ABD)の体積
となります。
最後に、「底面は底にあるとは限らない」ということと、「1つの立体に対して2通りの見方をする」ということを確認しておきましょう。
当初、体積の比較の対象である三角錐A−IJKと高さを共通にするために、三角錐A−EBD(E−ABD)の底面を三角形EBDと見ましたが、体積を求める段階では、底面積と高さが求まるように、底面を三角形ABDと見たんですね。

(解法2)「差」で求めます。
少し面倒ですが・・・
  求める体積
 =(三角錐E−ABDの体積)−(三角錐I−AEJの体積)−(三角錐J−ABKの体積)−(三角錐K−ADIの体積)
 =(1×1×1/2)×1×1/3−(1×1×1/4)×1/2×1/3−(1×1×1/4)×1/2×1/3−(1×1×1/4)×1/2×1/3
 =1×1×1/2×1×1/3−(1×1×1/4×1/2×1/3)×3
 =1/6−1/8=1/24cm3
なお、底面積(三角形AEJの面積、三角形ABKの面積、三角形ADIの面積)が1×1×1/4となっているのは、立方体の1つの面(正方形)の面積の1/4倍だからです。

(解法3)「2つの立体の相似比がA:B → 体積比はA×A×A:B×B×B」を利用して、「差」+「比」で求めます。
少し面倒ですが・・・
 相似比  三角錐A−IJK:三角錐A−HFC=AI:AH=1:2
 体積比  三角錐A−IJK:三角錐A−HFC=1×1×1:2×2×2=1:8
  求める体積
 =(三角錐A−HFC)×1/8
 ={(立方体EFGH−ABCDの体積)−(三角錐F−ABCの体積)−(三角錐H−ACDの体積)−(三角錐A−EFHの体積)−(三角錐C−FGHの体積)}×1/8
 ={(立方体EFGH−ABCDの体積)−(三角錐F−ABCの体積)×4}×1/8
 =(1×1×1−1×1×1/2×1×1/3×4)×1/8
 =1/24cm3



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