甲陽学院中学校2017年算数1日目第2問(解答・解説)

(1)
2でも3でも4でも5でも6でも7でも8でも9でも10でも割り切れる数、つまり、2、3、4、5、6、7、8、9、10の最小公倍数の倍数となります。
2、3は6に含まれ、4は8に含まれ、5は10に含まれるので、2、3、4、5、6、7、8、9、10の最小公倍数と6、7、8、9、10の最小公倍数は一致します。
さらに、6(2×3)は、8×9に含まれ、10(2×5)のうち、2は8に含まれることから、結局、7、8、9、5の最小公倍数を考えればいいことになります。
7、8、9、5は互いに素(1以外に公約数を持たない)なので、7、8、9、5の最小公倍数は
  7×8×9×5
 =7×9×40 ←偶数の8と5を先に計算します。〜「5と2は仲良し
 =63×40
 =2520
となります。
なお、ここで説明した考え方を使うと、日本数学オリンピック2008年予選第1問(4つの相異なる1桁の正の整数がある。これらの最小公倍数として考えられる最大の値を求めよ。)の答えが2520となることがすぐにわかります。
(2)
(1)の解説からわかるように、1個だけ割り切れない可能性があるのは、9か7だけですね。
9でだけ割り切れないとすると、2520/3=840が最小のものとなります。
7でだけ割り切れないとすると、2520/7=360が最小のものとなります。
あとは、840、360の倍数を小さい順に調べると、答えが360、360×2=720、840となることがすぐにわかりますね。



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