慶應義塾大学2025年理工学部数学第1問(2)(解答・解説)
6と8と9の最小公倍数が72なので、1から72まで調べつくせばいい(桐朋中学校2007年算数第7問の解答・解説を参照)ですが、少し面倒ですね。
1から30までの中で条件を満たすものの個数を出題者がわざわざ問うていることに意味があるだろうと考え、とりあえず、1から72までの整数の中で条件を満たすものを計算で求めてみます。 ←メインの問題を解くためには、条件を満たす数の順番を知る必要があり、この計算で解く解法(包除原理を利用する解法)と相性が悪いですが、慶應の出題者の有能さを信じてあえてこの解法を選択します。
以下、[〇]を〇を超えない最大の整数とします。
1から72までの整数の中で条件を満たすものは
[72/6]+[72/8]+[72/9]−([72/24]+[72/72]+[72/18])+[72/72] ←この式の意味が分からなければヴェン図をかくとよいでしょう。また、洛南高校附属中学校2004年算数A第4問の解答・解説を参照するとよいでしょう。
=12+9+8−(3+1+4)+1
=22個
あります。
1000÷22=45・・・10だから、45セット(1セットは72個(条件を満たすものは22個))あることは確定し、46セット目の途中まで(条件を満たすものは10個)あることがわかります。
この半端の10個については調べる必要があります。
10個は22個のうち半分弱で、30も72の半分弱だから、1から72まで調べる必要はなく、1から30あたりまで調べれば十分だと考えられますね。
6の倍数・・・6、12、18、24、30
8の倍数(6の倍数以外)・・・8、16
9の倍数(6と8の倍数以外)・・・9、27
したがって、a30=9となります。
半端の10個目と11個目を求めておきます。 ←半端の11個目がぎりぎり含まれないという処理をするから、11個目が必要となります。
上で書き出したものの続きを考えれば、10個目が32となり、11個目が36となることがすぐにわかりますね。
したがって、条件を満たす最大のnは
72×45+(36−1)
=3275
となります。