京都大学2024年理系数学第4問(解答・解説)


並べる数ですが、1つ前の数が偶数なら2で割り、奇数なら3倍して1を足したものを2で割るだけのことですね。
(解法1)
問題の形式から規則性がありそうなので、規則性の問題として処理します。
まず、小さい例で実験します。 ←「小さい例で実験⇒観察⇒規則性の把握⇒一般化」は規則性の問題を扱う際の基本ですね。
(あ)1個が(すべて)奇数の場合
最小のa0は1ですね。
(い)2個がすべて奇数の場合
a0=1とすると、a1=(3×1+1)/2=2(偶数)となり、条件を満たしません。
a0=3とすると、a1=(3×3+1)/2=5(奇数)となり、条件を満たします。
なお、a2=(3×5+1)/2=8(偶数)となりますね。
(う)3個がすべて奇数の場合
a0=1、3、5のとき条件を満たさないことは(い)で述べたことより明らかですね。
a0=7とすると、a1=(3×7+1)/2=11、a2=(3×11+1)/2=17となり、条件を満たします。
なお、a3=(3×17+1)/2=26(偶数)となりますね。
(え)4個がすべて奇数の場合
a0=1、3、5、7のとき条件を満たさないことは(い)、(う)で述べたことより明らかですね。
a0=9とすると、a1=(3×9+1)/2=14(偶数)となり、条件を満たしません。
a0=11のとき条件を満たさないことは(う)で述べたことより明らかですね。
a0=13とすると、a1=(3×13+1)/2=20(偶数)となり、条件を満たしません。
a0=15とすると、a1=(3×15+1)/2=23、a2=(3×23+1)/2=35となり、a3=(3×35+1)/2=53となり、条件を満たします。
したがって、(1)の答えは15となります。
ここまでをまとめると次のようになり、ハノイの塔の規則性であることがわかります。 ←最初の数が1で、差が2、4、8、・・・となっていますね。
(あ)1個の場合 1=2の1乗−1
(い)2個の場合 3=2の2乗−1
(う)3個の場合 7=2の3乗−1
(え)4個の場合 15=2の4乗−1
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(さ)11個の場合 2の11乗−1=1024×2−1=2047
これは推定に過ぎないので、大学入試においてはこの推定が正しいことを証明することになりますが、小学生の場合、これで答えとしていいでしょう。
(2)の答えは2047となります。
(解法2)
整数問題として処理します。
与えられた式のうち下の式だけを使うことになりますね。
消去算のときと同様の処理をします。
 an+1=(3×an+1)/2
 an+1×2=3×an+1 ←上の式の両辺を2倍ました。
 an+1×2+2=3×an+3 ←上の式の両辺に2を足しました。
 (an+1+1)×2=(an+1)×3 ←分配法則の逆を利用しました。
 (an+1+1)×2/3=an+1 ←上の式を3で割りました。
この式から、ある数に1を足したものは、次の数に1を足したものを2/3倍したものであることが分かりますね。
結局、a0+1=(2/3)×(2/3)×(2/3)×(a3+1)となります。
a0が最小となるのは、a3が最小となるときですね。
a0+1は整数だから、a3+1は3×3×3の倍数となります。
また、a3+1は偶数だから、結局、最小のものは2×3×3×3となります。
このとき、上の式を順に計算していけばa2もa1も奇数だから、最小のa0は2×2×2×2−1=15となり、これが(1)の答えとなります。
a0+1=(2/3)10×(a10+1)となり、同様に考えると、最小のa0は211−1=2047となり、これが(2)の答えとなります。



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