渋谷教育学園幕張中学校2015年1次算数第1問(解答・解説)

(1)
2009年のジュニア算数オリンピックファイナルの数値が変わっただけの問題です。
A>B>Cと考えても問題ありません(一般性は失われません)。
2数の和を大きい順に並べると、
 A+B
 A+C
 B+C
となり、2数の差を大きい順に並べると、
 A−C
 A−B B−C(この両者は大小関係が不明)
となります。
A−CがA+Cより小さいことは明らかですが、A−CとB+Cの大小関係はわかりません。
以上のことから、
 A+B=69、A+C=57、B+CかA−C=36
となります。
A+CとA−Cの偶奇は一致するから、A−C=36となることはありえず、B+C=36となります。 ←このことは、A+CとA+Bの差を考えると、B−C=12となることに矛盾しませんね。
  A+B+C
 =(69+57+36)÷2 ←A+B、A+C、B+Cをすべて加えると、A、B、Cをそれぞれ2回ずつカウントしていることになりますね。
 =81
となるから、C=81−69=12、B=81−57=24、A=81−36=45となり、このとき、すべての条件を満たします。
したがって、3つの整数を大きい順に並べると、45、24、12となります。
なお、次のように解くこともできます。
2数の和(A+B、A+C、B+C)と差(A−C、A−B、B−C)をすべて加えると、
  A×4+B×2=69+57+36+33+21+12
  A×4+B×2=228
  A×2+B=114 ←上の式を半分にしました。
となります。
これとA+B=69との差を考えると、A=114−69=45となります(以下略)。
(2)
2009年の算数オリンピックファイナルの問題を少しアレンジした感じの問題です。
異なる4つの整数を大きい順にP、Q、R、Sとします。
一般に、2数の和と差の偶奇は一致するから、2数の和と差の中には、偶数も奇数もそれぞれ偶数個あることになります。
2数の和と差12個のうち、[ア]以外では、奇数が6個、偶数が5個あるから、[ア]は偶数となります。
このように偶数と奇数が6個ずつ現れる場合、4つの整数は、偶奇の異なるものが1つだけ存在することになります。 ←4つの整数がすべて偶数の場合とすべて奇数の場合は、2数の和と差はすべて偶数となり、4つの整数が偶数と奇数2個ずつの場合、2数の和と差は偶数が4個(偶奇が一致するもの同士の和と差だけですね)と奇数が8個となります。
2数の和と差のうち最大のものから2つがP+Q、P+Rとなることは明らかだから、P+Q=95、P+R=85となり、PとQ、PとRは偶奇が異なります。
この2式の差を考えると、Q−R=10となるから、QとRの偶奇が同じことがわかります。
したがって、Pのみが偶奇が異なるから、Pがらみの2数の和と差だけが奇数となり、4数の大小関係を考慮すると
 P+Q=95
 P+R=85
 P+S=83
 P−S=49
 P−R=47
 P−Q=37
となります。
和差算を解くことにより、
  P
 =(95+37)÷2
 =66
  Q
 =66−37
 =29
  R
 =85−66
 =19
  S
 =83−66
 =17
となります。
[ア]は29+19=46となります。
なお、次のようにすることもできます。
2数の和を大きい順に並べると、
 P+Q
 P+R
 P+S Q+R(この両者は大小関係が不明)
 Q+S
 R+S
となり、2数の差を大きい順に並べると、
 P−S
 ・・・・
P−SがP+Sより小さいことは明らかですが、P−SとQ+Rの大小関係はわかりません。
ここまでで
 P+Q=95
 P+R=85
となることがわかり、2式の差を考えると、Q−R=10となります。
Q−RとQ+Rの偶奇は一致するから、Q+Rは48、[ア]、36、12のいずれかとなります。 ←2数の和と差の偶奇は一致するから、2数の和と差を列挙した12個の数には偶数と奇数が同数存在します。このことから、アは偶数となります。また、2数の和は差よりも大きいので、10と2はありえません。
あとは、Q+R=48から調べていけばいいでしょう(以下略)。



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