桜蔭中学校2020年算数第4問(解答・解説)


10g、20g、60gの球に書かれた整数をそれぞれ次のようになります。
 10g・・・4、8、・・・、100
 20g・・・1、4、・・・、100
 60g・・・4、16、・・・、100 ←最小のものが4で、以後12(3と4の最小公倍数)ずつ増えていきます。AとBの両方の条件を満たす数だから、AにもBにも含まれる100が含まれることは自明ですね。
(1)
分母と分子が5で約分できるということは、どちらも5の倍数であったことになります。
分子・・・10、25、40、55、70、85、100 ←最小のものが10で、以後15(3と5の最小公倍数)ずつ増えていきます。まず5の倍数について考えれば最小のものが10であることはすぐにわかりますね。
分母・・・40、100 ←最小のものが40で、以後60(3と4と5の最小公倍数)ずつ増えていきますね。まず、4と5の倍数、つまり20の倍数の条件を考え、そのうち3で割ると1余る数という条件を考えれば、最小のものが40であることはすぐにわかりますね。
1未満の分数であるから、求める合計は
  (10+25)/40+(10+25+40+55+70+85)/100
 =35/40+95×3/100 ←分母が100のものについては、分子を両端から2個ずつ組み合わせていけばよいでしょう(倍数の対称性の利用)。
 =0.875+2.85
 =3.725
となります。
(2) @
桜蔭頻出の不定方程式(条件不足のつるかめ算)の問題です。
10g、20g、60gの球の個数をそれぞれ□、△、〇とします。
個数の条件から、□+△+〇=13となります。
重さが全部1/10になったと考えると、重さの条件から、□+2×△+6×〇=25となります。
2つの式の差を考えると、△+5×〇=12となります。
5×〇が5の倍数(0も含みます)で、12が5で割ると2余る数だから、△は5で割ると2余る数となり、(△,〇)=(2,2)、(7,1)、(12,0)となります。
したがって、(□,△,〇)=(9,2,2)、(5,7,1)、(1,12,0)となります(解答欄に書く答えは省略)。
A
10gが5個、20gが7個、60gが1個
10gのものと60gのものに書かれた数はすべて4で割り切れる数だから、何を選んでもいいので、大きな数を選びます。
 10g・・・100、96、92、88、84(合計は92×5=460)
 60g・・・100
20gのものに書かれた整数を4で割ったときの余りを大きいほうから書き出すと、次のようになります。
 20g・・・0、1、2、3、0、1、2、3、・・・ ←数が3減ると、4で割った余りも3減ることになりますが、減らせないときは、1足すと考えます。ある数から3を引いた数とある数に1を足した数の差は4だから、4で割ったときの余りが等しくなるからです。
0+1+2+3+0+1+2は4で割ると1余り、余りが1足りません。
そこで、最後の2を次の3にすればいいですね。
もとの数に戻すと次のようになります。
 20g・・・100、97、94、91、88、85、79(合計は、79が82の場合の和をいったん考えた後調整すると考えて、91×7−3=634) ←100から3ずつ減らしていきますが、7個目だけは6減らします。
したがって、求める数の合計は
  460+100+634
 =1194
となります。



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