神戸女学院中学部2024年算数第6問(解答・解説)


(1)
AとBは、1回目に同一地点に来た後、2分30秒ー39秒=111秒間で148m離れるから、234秒間では148×234/111=312m離れることとなり、これがランニングコース1周の距離になります。 111=37×3は覚えているはずなので、すぐに約分できますね。
(2)
 時間の比 (A+B):(B−A)=39秒:3分54秒=39秒:234秒=1:6
  ↓逆比←距離一定(ランニングコース1周)
 速さの比 (A+B):(B−A)=6:1=K:A
和差算により、Aの速さは(K−A)/2=Dとなり、Bの速さははD+A=Fとなります。
Kが312/39=8m/秒に相当するから、A、Bの速さはそれぞれ8×D/K=10/3m/秒、8×F/K=14/3m/秒となります。 ←汚らしい数値なので、この値をすぐに使うことは避けたほうがいいでしょう。
 速さの比 A:B=D:F
  ||←時間一定
 距離の比 A:B=5:7
だから、2人が反対方向に進む場合、2人合わせて1周する間にAは5/(5+7)=5/12周することになり、2人が同一方向に進む場合、BがAを1周引き離す間にAはその6倍の距離を進む(反対方向に進む場合の6倍の時間がかかっているからです)ことになり、反対方向に進む39秒間と同一方向に進む3分54秒間を1セット(4分33秒間)と考えた場合、1セットの間にAは5/12×(1+6)=35/12周することになります。 ←方向を変えないAのほうが扱いやすいので、Aに着目するのがポイントです。
15分ー4分33秒×3=1分21秒=39秒+42秒だから、出発してから15分後というのは、4セット目の同一方向に進んでいる途中であることがわかります。
3セット目の終了時点でAは35/12×3=35/4=9−1/4(周)進んでいるから、Aは(当然Bも)、S地点の1/4周手前、すなわち312/4=78m手前(時計回り方向基準)にいることになります。
この地点からBはAと反対方向(反時計回り)に39秒進んだ後、Aと同一方向(時計回り)に42(=39+3)秒進むことになりますが、39秒間に関しては相殺されるので、結局、時計回りに3秒間進んだ地点に来ることになります。
したがって、BはS地点から時計回りに78−14/3×3=64m離れたところにいることになります。
(3)
AがS地点にくるのは312÷10/3=468/5秒ごとになります。
また、2人が同一地点に来るのは
  (0秒) →+273秒→ 273秒 ・・・・・・(273の倍数) ←追いつきですね。
   39秒 →+273秒→ ・・・・・・(273で割ると39余る数) ←出会いですね。
となります。
2人が同一地点に来るのが整数秒後だから、468/5×5=468秒ごとについて考えればいいですね。
計算が面倒そうなので、39秒を1T(タイム)と考えます。 ←最初に比を簡単にしたときに39で割り切れることが分かっていますね。
Aは468/39=12T(12の倍数)ごとにS地点に来ます。
273/39=7、39/39=1だから、2人が同一地点に来るのは
  (0T)→ 7T → ・・・・・・(7の倍数)
   1T → 8T → ・・・・・・(7で割ると1余る数)
となります。
結局、2人が同時にS地点に来るのは、(あ)(12の倍数でしかも7の倍数)Tまたは(い)(12の倍数で7で割ると1余る数)Tになります。 ←女学院頻出の倍数と余りの問題にすぎませんね。
(あ)の場合
84Tごとだから、最小で84Tですね。
(い)の場合
12の倍数は偶数だから、8に7×2=14を足していきます。 ←12の倍数を書き出して7で割ると1余るものを見つけてもよいでしょう。
  8、22、36、・・・
だから、最小で36Tとなります。
(あ)、(い)より、2人が初めてS地点で出会うのは、出発してから36T後、つまり
  36×39
 =36×40−36←「分」を取り出すためと計算を楽にするためにこのようにしました。
 =60×24−36(秒)
 =24分ー36秒
 =23分24秒後
となります。



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